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 ツツジの季節となった。常磐線の夜ノ森駅はツツジの名所で、ホーム両脇の土手に色とりどりの花が咲く。駅を通過する特急列車では、「車窓のツヅジをお楽しみください」とアナウンスが流れ、減速運転した車窓越しに見事なツツジを堪能させてくれる。

2005年05月09日

JR西日本の列車脱線事故


 JR西日本の列車脱線事故は、死者107人、負傷者460人という大惨事となった。事故原因のひとつとして、列車運行計画(列車ダイヤ)の過密さが指摘されている。福知山線では、所要時間の短縮と列車間隔の短縮が究極までに追求されていた。

 列車運行計画を机上論で最適化し、「あそび」までも排除してしまったのである。車のハンドルでも「あそび」は必要であり、安全工学または人間工学上、不可欠な要素である。

 工場の自動化システムを開発していた関係で、20年ほど前にトヨタの工場を訪問する機会に恵まれた。車体がゆっくりと移動する中、作業員がイス、ドア、ミラーなどを流れ作業で取り付けていく。各作業員には、自分の作業位置が決められており、車体が其処を通り過ぎる間に自分の作業を完了する。

 作業状況を一目見て、人の動きにムリ・ムダ・ムラが無いのが分かった。効率を徹底してきたノウハウの賜物であろう。しかし、ラインの中で皆と異なる動作をする人がいた。ライン長である。

 ライン長は、担当ラインの中の全ての作業を熟知している。現場では、予定外の事象がいつも起きており、ときに作業の遅れを発生し、ライン全体へ影響を及ぼす。ライン長はライン全体を監視し、遅れ気味の作業を発見すると現場へ駆けつけ、作業の手伝いをして遅れを回復する。

 部分最適でムリ・ムダ・ムラを徹底して排除する一方、全体最適でより大きなムリ・ムダ・ムラを吸収し安全(人命の安全と納期の安全)を確保している。「現場を知り尽くしたトヨタならでは」と感心させられた。

 最近、住宅ローン返済に伴う自己破産が増えている。住宅メーカーや銀行などの甘い言葉を鵜呑みした結果である。世の中は日々変化し、机上論通りに行くことはまずない。計画も大事だが、もっと大切なことは変化に「適応」することである。残念なことに、「あそび」の無い住宅ローン返済計画には、変化への適応力が無く、大きな惨事へと行き着くことになる。それなのに何故? リスク回避のために、「自分への投資をしっかりしろよ」と言いたい。

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塾 長
(ピカイチ先生)


 このコラムは、メルマガ「ピカイチ生活経営便り」からの抜粋です。
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[2005年]